さて、このサムライ・コカコーラにはモデルがいます。名前は挙げませんが、それは、
1、ブリジット・バルドーから「あんなに嫌な感じの男みたことない!」といわれ
2、日本人からやたら愛されたために、80年代から90年代にかけて、バブリーな日本側からの要請で、「アランドロンとゆくエーゲ海」みたいな船旅行のディナーショーみたいな企画を、なにかにつられて承諾してしまい、関西なおばちゃん達におさわりされて相当嫌気がさしたのか日本が大嫌いになってしまい、
3、日本批判もよくするし、
4、それでも日本人からは永遠のスターで愛されていて、
5、愛するがゆえに憎まれるという悪循環
6、と、そんなことはどうでもいいんだけど、この前、シネマテークでメルヴィルの映画のレトロスペクティブがあったとき、初日に挨拶にくるよていだったのにドタキャンして、かわりに(滅茶苦茶良い人な)ミシェル・ピコリがセルジュに頼まれたのか何なのか挨拶に来てくださり、私は思わず「ピコリの大ファンだから、アランドロンに会えるよりずっとうれしい!」と日本人にありまじき言葉を発してしまい、
7、「ドタキャンするなんて、サムライのすることじゃねえよ!やっぱりお前はサムライなんかじゃねえよ!ミシェルピコリのほうがサムライなんだよ!」と、シャンパン4杯目がまわっていたので、日本人にありまじきドロン批判を繰り返し、
8、話題はまたかわるけど、岡田真澄がヴィスコンティに「君は今度の新作の主役につかってあげよう。ただ、条件がある。私の別荘に一ヶ月同居しないといけない。」といわれて、びびって即効ことわってしまったら、それが実は山猫のアランドロンの役だったらしいのだけれど、
9、最近はアランドロンのほうが岡田真澄の仕事にあこがれているらしく、ミスフランスの司会者だか審査員だかを、ファンファンみたいにやりだしたらしいんだけど、
10、私の友人は「なんで左派のBHLは、右のアランドロンを自分のパーティーとかに呼んだりしてるんだ?アホか?」としょっちゅうきれてるんだけど、
もうネタがつきたのでやめますけど、その俳優さんがモデルです。だからメルヴィルに敬意を表して、サムライという名前なのです。コカコーラという苗字は、シャネルで働いていたからです。カールに敬意を表してコカコーラなのです。
で、ミシェルピコリが壇上に現れたときは、本当にうれしかったなあ。ミシェルピコリ大好きなんです。ミシェルピコリと行く地中海みたいな船のツアーあったら、絶対いきたいけど、ミシェルピコリは知的だからそういうのは承諾しないとおもう。ドゥミでのミシェルピコリもいいんだけど(chambre en ville では、彼の存在もあって、増村がかかわった大映テレビの赤いシリーズを思い出すのは私だけ?)、心をぶちぬかれたのは ne touche pas une femme blancheみたいな映画で、インチキフレンチカウボーイを演じられていたとき。あれは参ったわ。素敵過ぎるわ。あれができるのはミシェルピコリだけだわ。あれこそ本物のカウボーイだわ。インチキすぎるけど。